2017年7月16日日曜日

和栗の床

床はその家の雰囲気を作るうえでもっとも重要な要素と言える。だいたいは工務店で標準とされるフローリングの中から色味や柄で選ぶことになるのかな。どうかな。こだわりのある人なら多少値が張っても希望の樹種の無垢フローリングを採用するそうな。

どんな家を建てようかと思案していたちょうど一年前、神戸市北区に里山住宅博なる催しがあることを知り、夫婦でお出かけがてら行ってみることに。




そこは兵庫県内に拠点をおく20くらいの工務店が一堂に会し、それぞれが設計した里山付きの住宅を建てて一定期間住宅の博覧会的な形でモデルハウスのように一般公開するというもの。里山付きってただの土手だけどその向こうには市街化調整区域が広がっているから素敵な景色も手に入る。

里山住宅というだけあってどの家も自然素材をふんだんに使った現代的和風建築の様相を呈している。ぼくが家を建てようと決意したときからずっと憧れていた雰囲気にとても近い。

中でもぼくが1番惹かれていた住宅はある設計事務所の建築で現在我が家を建てているW建設と同じグループであり、W建設で家を建てるとその事務所の設計士が設計することになる。うちの場合はもともとその事務所の設計士だったひとがW建設に異動になって、我が家の設計を担当してもらうことになった。

そんな里山付き住宅。できるだけ自然素材で家を作るというのがコンセプトであるため、どの住宅の床材も無垢フローリング。やたら杉の無垢材。この上を靴下で歩いたときの気持ちいいこと!もう靴下も羞恥心もモラルも自制心もすべて脱ぎ捨てて裸足で駆け回りたいわ。

少し脱線するけど、この住宅博に行ったのは一年前の8月。とても暑い日で客もスタッフもみんな汗だく。そんななかちょっとガタイのいいヒゲ面の中年オヤジが裸足で無垢フローリングの上を歩いている場面に遭遇。入り口に靴下用意してあるのに。履いてくださいって注意書きされてるのに。

ってかなんでおっさんが靴下履いてないの?どうしておっさんがサンダルでお出かけしてんの?有事の際に力一杯ダッシュできない履き物で自宅から半径150メートル以上離れられるやつが理解できない。緊張感ないわ。怖いひとに絡まれたらどう対処するの?いやそれより床!汚ねぇよおっさん。ここの住宅は既に買い手が決まってたりして引き渡し前の内覧会的な要素もある。せっかくの無垢フローリングがおっさんの脂ぎった足に汚されるなんて。工務店側が引き渡し前にフローリングをヤスリがけ、もっと言えばカンナがけしてくれることを願ってやまない。

で、我が家のフローリング。これだけ憧れていたのだから当然、無垢フローリングを熱望していた。W建設の標準フローリングはもともとグレードが高いから、節ありの杉ならわずかな差額での施工も可能だという。が、我が家はW建設標準の床暖房を採用している。床暖房対応の無垢床材。これが非常に高い。自分でもいろいろ探してみたけど差額は大きいだろうなと。妻は無垢材のメンテナンスに不安があるみたいであまり積極的ではないし、ぼくとしてもその辺の不安はある。

そこで、和風の床材でなんかいいのないかなーと探していたらいいの見つけた。PanasonicのアーキスペックフロアーA スギ柄。ビジュアルは本当にキレイなスギ柄。さっそくショウルームへ現物を見に行く。

Panasonic公式ウェブサイトより


現物も写真どおりリアルな仕上がりで好感触。が、肌触りはスルッとしすぎてるかな。照明の反射も強くてテカテカしてる。うーん。パッと見だけかな。一応見積りとってみる。結果、差額が約70万くらい。却下。設計さんも現物確認してくれたみたいで「結構テカテカしてましたねw」だと。うんうん、してた。

さてどうしようと考えるがこの頃いろいろと他にも仕様決めしてる最中で「他にもやりたいことあるし床にそんな予算割けないよね」という空気がぼくと妻のあいだで静かに旋風を巻き起こしていた。標準の床ってどんなんあったっけ。

W建設標準の床は下記のとおり
LIXIL ラシッサDフロアー
WOODONE コンビットグラードプラス
朝日ウッドテック ライブナチュラル
EIDAI 銘樹プレシャスセレクション
EIDAI 里床

ライブナチュラルはレオハウスの標準と同じだったからなんか避けたい。コンビットと銘樹はちょっと安っぽい。いやそれぞれすごくいいんだけどさんざん無垢フローリング見てきたからどうにもこうにもコレだ!と決断できない。

設計さんのオススメはEIDAIの里床。ぼくらがこれならいいかなって思うのはDフロア。

とりあえずLIXILのショールームへ。工務店のサンプルより大きなサンプルを見て触って並べて。ぼくらはDフロアがたいそう気に入った。なんちゃらfeelってゆう木肌の感触も抜群だと思った。見た目も美しい。リアル。新居のフローリングとして申しブンない。でもね、洋風。すべての柄が、木目が、色合いが、樹種そのものが洋風。どう考えても我が家に合わない。また振り出し。

床に悩み過ぎて憔悴しきったぼくらを見た里床推しの設計さんが言った。

里床なら和風にも合いますし、とても綺麗ですよ。これ、以前は床暖房非対応だったんです。それくらい無垢に近い特性を持ってるってことです。最近になって改良が進んで床暖房にも対応するようになったんです。

紺鼠色。黒じゃなくて紺なん?


そうは言ってもなー。なんか里床って少し古臭い感じするし、他のフローリングが150ミリ幅なのに里床は100ミリだったりするし、ぼく的には紺鼠色だったらいい気もするけどほとんど真っ黒だから妻は好きじゃないだろうな。建具の色や壁紙も合わせずら・・・

設計さん「こんな感じで・・・」

EIDAIカタログより


あ、これ、コレにします。

ということで、我が家の床はEIDAIの里床、紺鼠色に決定。栗の突き板だから和栗のいえにぴったり。突き板ならではの色合いも良い。無垢フローリングでこんな塗装、もったいなくて出来ないよな。
建具もこのカタログで使われているEIDAIのネイキッドライト色に統一することになった。

あー長かった。この記事書くの。





0 件のコメント:

コメントを投稿

【撮影】和栗のお宅訪問