2017年7月28日金曜日

waguri’s kitchen〜4つの候補

2017年7月13日 キッチン施工


panasonic Lacucina オーク柄 ペニンシュラスリムタイプ(750ミリ)


キッチンが入ると一気にLDK感でるよね。

W建設標準はタカラスタンダード、クリナップ、woodone、Panasonicから選択。


タカラスタンダード

ホームビルダー向けのオフェリアっていうモデルでまあまあ普通のグレードなんだろうけどデザインが古臭い感じでショールームのスタッフもあまり売る気がないのかセールストークがイマイチ。今住んでる団地に入ってるのがタカラスタンダードのキッチンなんだけどあまり変わらないような。

いや、だいぶ違うんだろうけど扉パネルの柄とか70年代っぽい中途半端な古臭さが少し苦手。標準の薄型レンジフードはホーロー整流板。汚れ落ちはよさそう。引き出しの底板もホーロー。シンクは人大。ワークトップも人大。しかし他のメーカーと比べるといまひとつ魅力に欠ける。早々に落選。


woodone

ニュージーパインの無垢材を扉に使用したsu:ijiのNZclass。食洗機標準装備のNZ20か食洗機がオプションになるNZ30を選べる。su:ijiが標準で選べる時点でぼくはかなり興奮したが妻はそうでもない様子。やはり無垢材のメンテナンスが気になるみたい。NZclassはsu:ijiの中でも1番お求め易い価格。それでも他のメーカーと比べると高額になるみたいで、コンロやレンジフード、シンク、ワークトップなどは他のメーカーより安価なものがW建設によってチョイスされていた。

たとえオプションでアップグレードしたとしてもシンクやワークトップはクリナップに敵わない。食洗機やレンジフードはPanasonicに敵わない。と、思われた。無垢材の扉は魅力的だけど、それだけかなと、こちらも早々に落選。


クリナップ

普通にクリンレディ。選べる扉柄は吊り戸棚有りでC class、吊り戸棚なしでB class。うちは吊り戸棚いらないからB classの中から選ぶんだけどクリンレディならステンレスの扉にしたいじゃんね。てことはA classのオプション追加決定。ワークトップとシンクも当然ステンレス。これは標準。あと流レールシンク、とってもクリン・排水口、美コート、エコキャビネットというステンレスキャビネットなんかも標準。と、かなり嬉しい標準装備。

とはいえ、三角コーナーとかコンロのグレードアップ、Panasonic製の洗エールレンジフードにカップボードも欲しいところ。総額いくらになるだろう。とりあえずキッチンといえばクリナップという安心感もあって最終候補のひとつとなる。


Panasonic

ラクシーナ。W建設ではこのラクシーナの標準仕様が異常なまでに充実している。Panasonicはお風呂でも標準仕様が異常に充実していた。酸素美泡湯とかエステケアシャワーとか。なんでだろ。それとなく設計さんに聞いてみたらPanasonicは住設メーカーとしては新参者だから仕入れでかなりベンキョウしてくれるとか。採用してほしくて必死なんやな。

で、ラクシーナではなにが異常かというと、10年掃除がいらない全自動おそうじファン付「ほっとくリーンフード」、深型食洗機、どちらもエコナビ対応の最上位機種。これらが標準装備。そのぶん扉柄が4段階で下から2番目のグレードだったりコンロが水なし片面焼きグリルだったり人大シンクがオプションだったりする。気になる部分はオプションで追加するとして総額が気になるところ。最終候補のひとつとした。

つづく



2017年7月27日木曜日

土地建物同時契約白書

W建設では土地の契約と建築請負契約を同時にしなければならないという、聞く人によってはそれだけで悪徳企業のレッテルを貼られてしまうような決まりがある。

建築条件付き土地の場合、一般的には土地の契約後3ヶ月以内に建築請負契約となるらしい。その3ヶ月間で建物の詳細な仕様を決めて見積りもしっかりと出すそうな。それから建築請負契約を結び、施主は契約金を支払う。

それが土地建物同時契約となると「施工面積はご家族4人ですとだいたい30坪くらいですねー坪50万円なので建物本体価格は1500万円ですねーオプションは予算として100万円見ときましょうねーあと外構に100万円と。はい。1700万円。これに土地代と諸費用入れて3200万円です。」とか言われてそのまま契約。実際に間取りや細かい仕様を決める段階になると少し坪数を増やしたくなったり、一生に一度のマイホーム作りだからとオプションを追加していくうちにぜんぜん100万円じゃ足りなくなったり、外構も200万円以上の見積り出されたりで当初の予算を大幅にオーバー。でも契約しちゃったし、解約したら契約金戻ってこないし、後戻りできないしってことで泣く泣くオプション削って胃が痛くなる思いして減額調整に明け暮れて毎日毎日安く仕上げるにはどうするかを考えるだけの生活を続けて引き渡しの日を迎えたけどその家は自分たちの欲しかった家とは全く違ったものだった。

なんてことになりかねないらしい。

でもさ。土地の契約後に3ヶ月打ち合わせしてから建築請負契約を結ぶ施工会社は誠実に見えるかもしれんけど、たった3ヶ月の打ち合わせで納得のいく家が完成するかどうかは疑問。

たった3ヶ月。厳しいなぁ。我が家はどのくらいかかったっけ。契約が去年の10月くらいだから9ヶ月か。9ヶ月たった今でも打ち合わせが続いてる。外構が残ってるから。

うちが特別長期間の打ち合わせをしているとは思わない。たぶん完全自由設計の注文住宅ならそれくらい時間かけても平均的だと思う。

やっぱり3ヶ月ではとても無理。大急ぎで決めて満足のいく家が手に入るのか。入るならいいけど。中には間取り打ち合わせ3回まで無料とか、2日間くらいですべて決めろと言ってくるHMもあるとか。いや、絶対ムリ。

ということでW建設では「うちの土地が気に入ったら最初に土地と建物の契約を結んでしまって、それからじっくり打ち合わせしましょう」ってスタンスなのかな。契約のときに「着工前なら契約解除できます。契約金もお返しします」とは言ってた。言ってただけだし、契約解除を申し込んでないから真実かどうかは不明。

ちなみに、ぼくらは1stプランも概算見積りも貰わないうちからだいたいの総額だけで契約した。土地は気に入ったし、工務店探すのしんどいし、モデルハウスも大変気に入ったし、住宅のデザイン性や仕上がりの質感もこれまで見たどのHMのモデルハウスより高く感じた。

ぼくらがモデルハウスを見たり施工事例を見たり営業さんと少し話しただけでW建設に対して「ここならいいかも」と思えたのは何故か。妻の友人がW建設で家を建ててとっても満足していることを知っていたからかもしれない。これまでいろんなHMを回って大量の資料を請求してたくさんのモデルハウスを見学してたくさんの営業さんと話して、一度は別のHMで契約するも「なんかここ違う。辞めたい」って思ってたら幸か不幸か住宅ローンが通らなくて無事契約解除できたみたいな経験してたくさん勉強したからかもしれない。

もしくはアホだからなにもわからんくせにわかったような気になって無計画に契約しちゃったけどたまたまアタリを引いただけかもしれない。

まだ気づいてないだけでホントはハズレを引いてるのかもしれない。

それに気づくのは明日かもしれないし10年後かもしれない。

どうせなら一生気づかないくらいぼくらがアホだったらいいな。

どっかのお花畑



2017年7月26日水曜日

条件付き土地で家を建てるということ

さて、コレを書いている2017年7月下旬。内装は壁紙が施工真っ最中で外観はほぼ終わり。あとは壁紙すべて貼ったら洗面化粧台やトイレが設置されて建物は終了。外構は現在打ち合わせ中。来月8月中旬には施主検査が控えており、順調にいけば9月中旬には引き渡しとなる。

ぼくらが建てている家は、建築条件付き土地での完全自由設計の注文住宅。

ここまで家づくりを進めてきて、世間で言われている建築条件付き土地に関する噂やクチコミと、実際にぼくらがW建設との家作りで経験したことには、少しギャップがあるなと感じている。

まず、ネットのクチコミや住宅業界関係者っぽい人たちのブログなどで建築条件付き土地がどのように書かれているかまとめてみる。

  1. 施工会社(ハウスメーカーや工務店)を選べない
  2. 注文住宅と言っておきながら実際は自由度が低く、建売や規格住宅と変わらない。
  3. 土地は安く設定しているが建物で回収するため建設費は割高。
  4. 標準仕様以外の注文をつけるとメチャ割高。しかも標準仕様が最低レベル。
  5. 基本的に建設費は施工会社の言い値。相見積もりも無意味だから施主には高いか安いかの判断もできない。
  6. 施工は普段建売しか請け負ってない業者が行うため、クオリティも建売レベル。
  7. 設計は営業さんがする。施主の注文を聞いた営業が設計して設計士が図面を描く。設計士からの意見も営業を通して施主へ伝えられる。煩わしい伝言ゲームで貴重な時間が削られる。
こんなもんかな。これらの噂、W建設ではどうか。

  1. もちろん、施工会社は選べない。ぼくらは他に探す必要がないとプラスに捉えた。土地が気に入れば買い。
  2. 自由度の低さは全く感じない。自由すぎて困るくらい。どうしたらいいかな?とこっちが決めて欲しくなるくらい。土地契約後の3ヶ月ですべて決めさせられるHMでは自由度が低くて短期間で設計が終わるようになってるかもしれんけどW建設は完全に自由。なんどでも、いつまでも、納得するまでプランニング可能。
  3. 建築費が割高なのはその通りかもしれん。まあ向こうも商売だからどっかで利益出さないとやってけないでしょ。最終的にトントンならいいわ。ちなみに、W建設で建てる家の本体価格は20坪まで55万円、21坪からは50万円。したがって30坪なら1600万円。ローコスト住宅の値段ではないけど実際に造りはローコストのそれとは違うと思う。コストも造りもいたって普通。地元の工務店レベルかなと。
  4. 標準仕様が低くてアップグレードすると高額になるというのはタマホームなんかのローコストHMでよく聞く話。W建設の標準仕様は決して低くはないと思う。基礎、構造材、断熱仕様、サッシ、住設、建具、屋根、外壁、あとなんだ、なにがあるかな、まあいいや、その他もろもろ全部普通。いたって普通。とりわけ住設はかなりいい方だと思う。たとえばPanasonicのキッチンは10年掃除が要らないほっとくリーンフードや深型の食洗機が標準。オプションはアイランドキッチンが18万円くらい。スリムタイプなら15万円。カップボードはうちはカウンタータイプだけど23万円くらい。いたって普通か、なんだったら安いくらいかと。あと畳コーナーの小上がりは10万円とか、思ったより安いなと思うことが多かった。
  5. 住宅の値段なんてどこで建ててもHMの言い値じゃないかと思う。すべての部材の原価と業者側の利益を公開してる工務店もあるみたいだけど、そうでなければ基本的にブラックボックスだろと。大手もローコストも全部ブラックボックス。
  6. W建設は建売もやってるけど実際に建ててる件数から考えると圧倒的に注文住宅のほうが多い。あとW建設の建売はたぶんよくある建売のクオリティではないと思う。んだけど、それはまあ施主補正がかかってんのかな。建売はさすがに安く作ってるよな。実際安いし。
  7. 他のHMはわからないけどW建設では契約までが営業さんの仕事。契約後の間取り作成から引き渡しまで、建物に関することはすべて設計さん。したがって煩わしい伝言ゲームはしない。ちなみに、契約後もローンや保険や役所への申請関係、建物以外のことは営業さんが担当する。
以上、条件付き土地でも今のところ不満なく家づくりを楽しんでる。引き渡し後にいい買い物したなーと思えたらいいな。





2017年7月25日火曜日

階段~結コンポーネント編

紺鼠色の踏み板問題。

EIDAIでフローリングと階段を注文する場合、ほとんどの柄でフローリングと階段を同じ柄にすることができる。フローリングが紺鼠色なら階段の踏み板も紺鼠色。統一感が重要との主張を絶対に崩さない妻がプレジデントとして君臨する我が家では当然の選択。

しかし里床シリーズに対応した踏み板はBOXタイプの設定しかないそうな。BOXタイプということは化粧面が前方の木口(断面)と踏み面の2面だけとなる。裏面や両端の木口は合板そのままの状態。

スケルトン階段では6面すべてが露出するため、6面すべてが化粧面でなければならない。

そこで、化粧面以外の面を隠すために蹴込み板をはめてサイドに壁を作ったと。そうすることでチカラケタに乗らない踏み板を壁で固定することもできる。とゆうことらしい。参った。しかもこの場合、下2段はそれで解決するかもしれんけどスケルトン部分は紺鼠色が使えないわけで、問題が多すぎて収拾がつかねぇ。

設計さんはEIDAIに直接掛け合ってくれたりしたけど、紺鼠色の6面化粧仕上げはどうしても無理とのこと。化粧面以外は塗装しようかとか、いっそ全面真っ黒に塗装した踏み板にしようかとかいろいろ考えた。ぼくも徹夜で画像検索してヒントになる施工事例を探した。途中、下2段をすべて土間タイル張りとする案が出てほぼ決定するも「タイルが割れたら足を怪我する」という理由で頓挫。

そうして万策尽きて男たちが疲れ果てた頃、妻が言った。

踏み板、ネイキッドライトやったらあかんの?

?!?!?!?!?!?

ネイキッドライトの踏み板ないん?

ネイキッドライトでいいの?

ええよ。ネイキッドライト好きやし。

ああああある。あります!ネイキッドライトなら6面すべて化粧面のスケルトン階段用の踏み板が!

それでええやん。

山が、動いた。

ってか統一感うんぬんは。。。

踏み板ネイキッドライト案は以前から出てたんだけど妻は紺鼠色の階段にこだわってたから話半分も聞いてなかったようだ。妻は視力が低いから階段が紺鼠色だと踏み板見えないよ。ネイキッドライトならよく見えるよって言ってたんだが。

全面化粧面やったら横にダサい壁作らんでいいん?

はい。それなら踏み板がてっぺんにベンと乗りますから、この場合踏み板が「勝ってる」状態なんで壁は要りませんよ。と設計さん。

ふーん。

最後の方はたぶんよくわかってないと思うが納得したらしい。

踏み板:紺鼠色、端壁あり、ダサい

上の画像、木口を隠すためエンドウォールが「勝ってる」状態。踏み板が土間側の壁に当たって終わる。

踏み板:ネイキッドライト、端壁なし、すっきり

上の画像、木口を隠す必要がないため踏み板が「勝ってる」。エンドウォール不要。

最終案は土間タイル仕上げ

踏み板に関してはさらにもう一悶着あり。EIDAIにネイキッドライトの踏み板を発注する段階になってはじめて明らかとなったこと。ネイキッドライトの踏み板は、現場でカットしなければならない、ということ。じゃあ結局木口見えちゃうじゃん。

この事実をぼくらに突きつけた時、設計さんは既に対策を練っていた。

タモの集成材をネイキッドライト色に塗装する。

んなことできんの?だったら紺鼠色に塗装したらいいのに。と思ったけど紺鼠色はかなり特殊な柄だから塗装で再現できないらしい。なるほど。

ちなみに、EIDAIでネイキッドライトの踏み板を買うより集成材を塗装した方がコストは高い。が、そのぶんの差額はサービスだとか。

このとき、我が家の階段の見積り額は60万円に決定していた。けどこれってスケルトン階段一式って感じで内訳がよくわからんし、たぶんテキトーだと思う。だからサービスって言われても元の金額が全然スケルトンじゃないしあんまり実感がないというか「あーはい」って感じでうっすいリアクションしかできんかった。

設計さんすまん。

素敵なスケルトン階段ありがと。


土間タイル施工。養生だらけでよくわからん。


ストレート部分も無事スケルトンに。





2017年7月24日月曜日

階段~抗エンドウォール編

ぼくらの想像では、階段のすべての段はスケルトンだった。すべての蹴込み板はなく、すべての踏み板の下はなにもない空間が存在するはずだった。

こんな感じ。最下段の踏み板浮いてるけど。

しかし、いよいよ階段の細かい仕様決めをしようという打ち合わせで、設計さんがもってきた立面図はぼくらの想像と違った。

我が家の階段は1階ホールから1段昇ると2段目は正方形の踊り場があり、90°右に曲がって10段昇り、最後の1段でまた正方形の踊り場があり、90°右に曲がって1段昇ると2階フロア、という作り。わかりにくいね。ホチキスの芯みたいなコの字型、っていってもわかりにくいね。

まあとにかく、階段の最初と最後に90°の方向転換するための踊り場がある、ということ。その間は10段のストレート階段がある、ということ。前回さんざん階段の途中で方向転換することのリスクを書いたけどうちのは安全なの。これでいいの。

ぼくらはそのすべての段がスケルトンになると想像してた。しかし設計さんの立面図では最初の1段と踊り場は蹴込み板が入り、壁の反対側は踏み板を僅かに越える高さの壁となっていた。しかも普通の内壁の厚さ130ミリのぶ厚い壁。


端の壁がジャマ。笠木も変。

カルいパニックを起こしているぼくらに設計さんが言った。

踊り場の下はチカラケタが上からズドンと刺さってくるんですけど、その辺りの処理がヴィジュアル的にかなり汚くなります。絶対に見えてはいけない部分が見えてしまってる感がハンパないです。屋根裏とか床下とか壁内とかと同じ処理になるんで。

で、出した答えがそのエンドパネルならぬエンドウォールかい。プロだったらどうにか見せられるような処理にしたったらええんちゃいますの。ええ、どないやの。的な異議申し立てまくったんだけどどうしても隠さなきゃならんらしい。大工さんにも相談したけどダメだった。

スケルトン階段って全段まっすぐが前提なんで、みたいな嘘っぽい説明しよったで。ほんま。

無理だと言い張るなら仕方ない。が、100歩譲って蹴込み板はいいとしよう。でもどうかエンドウォールだけは勘弁して欲しい。玄関エリアと階段がシームレスにつながって存在してこその65万だぞと。こっちの意向が反映されてないどころかスゲェ変な感じになってんじゃ65万も払えるか。むしろマイナスオプションじゃ。金返せ。

だから設計さんに聞いた。どうしてこの壁が必要なのかと。その説明で我が家の階段に関するもう一つの問題が浮上した。




2017年7月23日日曜日

階段~希スケルトン編

スケルトン階段が絶対に必要かといえばもちろん必要ではない。階段なんて上階へ上がれればそれでいいのだから。スケルトン階段のほうが安全だというならわかるが安全でもない。かもしれない。どちらかというと回り階段のほうが安全?たぶん。いや、どうかな。

「スケルトンタイプのストレート階段」と「BOXタイプの回り階段」

それぞれの安全性や利便性、デザイン性で比較してみる。

まずは安全性。

上から下まで一直線のストレート階段は転倒したら下まで転げ落ちてしまいそう。しかしモノの本によると転倒リスクは回り階段のほうが高いそうな。途中で方向転換が必要で踏み板のサイズも変化するから踏み外ししやすいとのこと。つまり、ストレート階段は転倒したら下まで転げ落ちる可能性が高いけど、途中で方向転換が不要だからそもそも転びにくい。ということ。

ぼくの印象として、安全性を重視した場合、多くの日本人はおそらく回り階段を選ぶんじゃないかと思う。転んだ時にダメージが少ないと考えられるほう。万が一転んだ時のことを考えてーってことだと思う。

でもぼくはこの考え方が好きではない。転んだあとの安全性より、そもそも転びにくい階段であるべき。だって、どんな階段でも転んだら大怪我するし、下手したら死んでしまう。だったら転びにくいストレート階段にして安全性は段差の高さや踏み板のサイズで確保するのが正しい。正しいって書いちゃった。

ついでに書くと回り階段のほうが転んだ時のダメージが少ないって考えも疑問に感じる。上階から転落した場合、回り階段だと途中で壁に激突することになる。かなりの勢いで。高齢者がその壁に頭を打ちつけたら致命的。ストレート階段なら途中で止まれるかもしれないし、下まで転げ落ちても壁までは最低でも廊下幅の距離があるからマイルドに着陸できる。

やっぱり安全性に関してはストレート階段のほうが優れていると思う。

また、安全性についてオープンタイプかBOXタイプかどちらが優れているかの議論は、我が家では必要ないかと。だって大人2人やし。蹴込みの有無は関係ないかな。あんな踏み板の間の隙間に落ちちゃう大人なんていないから。隙間はあるけどそこには2本のチカラケタがビシャーっと通ってるし。落ちようがないわ。

ということで、安全性に関してはスケルトンタイプのストレート階段に軍配があがった。

次に利便性。

利便性ってのはこの場合、使いやすさ、昇降のし易さのこと。結果から書いちゃうとこれはストレート階段に軍配。回りながら昇降しなければいけないタイプは論外として、方向転換部分がすべてフラットな踊り場になっていたとしても昇り降りが面倒。7段昇った後、グルッと180°回ってまた7段昇る。だいぶしんどいわ。踊り場もどうせ狭いだろうし。1日に2、3回であればいいけど、生活していれば何度も昇り降りしなければいけない。特に我が家は2階にトイレがないから1日の昇降回数は、なんて考えるだけでもめんどくさい。ちょっとしたストレスでもできる限りなくしたい。これはかなり大きなポイント。

最後にデザイン性。だが、BOXタイプの回り階段にデザイン性なんてあんの?いや、壁とか踏み板の柄なんかはストレート階段でも同様にできるからBOXタイプの回り階段ならではのデザインって、どんなんあるかな?ぼくには思いつかない。きっと設計さんにも思いつかない。よって、デザイン性もスケルトンタイプのストレート階段に軍配。

比較した結果、すべての項目でスケルトンタイプのストレート階段に軍配が上がった。あとはこれらの優位性と65万円という額を天秤にかける作業。これはもうね、わからん。やっぱり利便性で書いた部分が大きい。昇り降りが楽、その価値プライスレス。

ただね、この利便性の部分て、ストレート階段なら一緒だよね。べつにスケルトンじゃなくてもね。ストレート階段なら昇り降りが楽な階段はできるんだよね。差額0円で。てことは実際、ガチでリアルに告白すると、65万円のオプション代はデザイン性のためだけにってことになるね。

でもね、うちの階段って玄関に設置されるんだわ。できるだけ広い玄関ホールにしたいって思ってて、でもスペースがもったいないから玄関エリアに階段を設置した。スケルトン階段の下は玄関土間。だから我が家における階段が占めるスペースってのは0に近い。これはスケルトンタイプにしたから実現できたこと。階段を設置しても玄関を広く感じられるのはスケルトンタイプだから。普通、階段の占めるスペースは1坪くらい。ってことは階段をスケルトンタイプにすることで1坪のスペースを得したことになる。1坪といえばW建設でいうと50万円の価値がある。それを差し引いて考えると、このスケルトンタイプの階段にかかった費用は15万円程度となる。なる?なるよね。

もっと言えば1階で1坪余計に使うってことは2階も1坪増えるってことだよね。ということは合計2坪得したことになる。ってか施工面積を節約したことになる。つまりスケルトン階段には100万円の価値があるってことね。そう言えるよね。言えなくもないよね。こうなるともうね、スケルトン階段が35万円の利益を生んだことになるよね。数字って正直だよね。うん。

階段イメージ図

なっっっっっげぇ言い訳。





2017年7月22日土曜日

階段~調プライス編

2017年7月上旬 階段施工


階段ついたのぅ。感慨深いのぅ。




少し時間を戻して、家づくりを考え出して間もない頃、いろいろなHMのモデルハウスへ行ってはいつもどこでも感じていたこと。

階段狭いなぁ。荷物もってこんなところ昇り降りするの嫌だなぁ。

結構ハイグレードな仕様で建ててますと案内されたモデルハウスでも普通のBOXタイプの回り階段ならどれも一緒。どれだけ内装が豪華でも幅は尺モジュールで同じだから。そりゃそうだ。

そんなぼくが蹴込みのないオープンタイプのスケルトン階段に憧れることは、当然といえば当然、必然といえば必然、当然で必然かつ自然。人生のパイセン、にも断然、オススメされちゃい過ぎたら呆然、タバコはマイセン、風邪にはカイゲン、ペンダントライトはルイスポールセンyeah!

と、小気味よく韻を踏めたところで我が家の階段のはなし。憧れはあっても避けて通れないのが予算との兼ね合い。WEBでいろいろ調べてみると、やれ100万だ、やれ200万だ、やれ130万だ、と幅はあるがどうやら150万はいくっぽい。これはさすがに予算割けないな。

ここで設計さん「すべて鉄骨で作るとお金がかかりますけど、チカラケタを木製にすればだいぶ予算うきますよ」

チカラケタというのは踏み板を支えるための部材。踏み板を設置する部分がギザギザになってて階段の上から下まで一直線にビヤーっと通る梁みたいな重要パーツ。こいつを鉄骨みたいに真っ黒に塗装した木材で作れば安上がりになると。強度も心配ないと。同じように作った木製のスケルトン階段を見に行ったがなるほど全然しっかりしてる。これならいけるかもしれない。

1stプランでは階段がBOXタイプの回り階段だったがストレート階段に変更。木製スケルトン階段の見積もりを待つことに。

結果、概算見積り額65万円。実際はもう少し安くできるが予算として多めに取っておくとのこと。うーん。決して少額ではない。微妙な値段だけど、これで見た目スケルトン階段にできるなら確かに安い。

木製といってもぼくらに妥協した感はない。もともと鉄骨より木製が好きだから。木製のスケルトン階段ができるなら願ったり叶ったり。ただし、手すりだけは木製だと強度の問題でかなり太くなるらしい。

ここはスタイリッシュに仕上げるため手すりのみ鉄製にしたほうがいいと設計さん。妻はオール木製がよかったらしくかなり渋ったが木製手すりにした場合のもっさり感はスケルトン階段のカッコよさをぶち壊す可能性があると静かに諭して納得してもらった。先ほどの見積り額はこの鉄製手すりの料金も含まれる。

スケルトン階段の値段はわかった。次は本当にそれだけの費用をかけるだけの価値が、スケルトン階段にあるのかどうか。それほどの費用をかけてまでスケルトン階段にしたいのか。自らを問い詰めていく作業を始める。




【撮影】和栗のお宅訪問